プラント・その他事業

中山道じねんじょ農園

恵那市の自然薯料理店「中山道　水戸屋」に栽培指導などの協力を得て自然薯を栽培する、中山道じねんじょ農園の取り組みは、平成30年3月農林水産省の総合化事業計画に認定されました。
＊農林水産省の総合化事業計画とは「農業の六次産業化」と呼ばれ、農産物から加工品を生産し、流通・販売につなげていく一連の仕組みを指します。

また、農林水産省の「農業の六次産業化」に続き、翌年には岐阜県からGAP認証を取得しました。
＊GAPとは「Good Agricultural Practice」（良い・農業・実施）の頭文字を取ったもので、食品安全、環境保全、労働安全等などの観点からリスクを管理し持続的に農業を行うための取り組みを意味します。
2020東京オリンピック・パラリンピックの選手村等で提供される農産物生産者には、このGAPの認証取得が要求されています。

（左）一般的なパイプ栽培の自然薯　（右）じねんじょ農園の自然薯

一般的な自然薯栽培はパイプを使って栽培されますが、中山道じねんじょ農園ではパイプは使わずトタンで生産しています。トタンを使用して作られた自然薯は、外観はほとんど一緒ですが、すりおろすと味・粘り・色・香りが全く別物になります。
建設業で使用する重機と、建設業で培った技術を使い、難しく手がかかると言われているトタンでの生産が可能になりました。
4年目を迎えた中山道じねんじょ農園では、今年も5月中旬までに昨年と同じく17000本の植え付けが完了しました。重量にして3トン強の収穫を目指しています。

自然薯はミネラルや水溶性ビタミンを豊富に含むことから「大地が育てた万能薬」と称されています。それゆえ感染症対策、夏バテ予防に効果のある商品開発もできるのではと期待されています。
現在、新たな六次化への取り組みとして中津川市の料理店「更科」と連携し、商品化発を進めています。新たに誕生した商品に、すりおろした自然薯を瞬間冷凍したものがあります。
こちらは、すりおろす手間が省け解凍するだけで手軽に自然薯が楽しめる優れもの。年間通して、簡単に、美味しく、栄養価たっぷりの自然薯を楽しむことが可能になりました。

自社広報誌「せんとらるライナー」に掲載した、地域の飲食店との出会いが自然薯栽培を始めたきっかけになりました。
ちょうど、自然薯の農繁期（4～6 月）が建設業の閑散期に当たるため、従業員の仕事を確保できること、建設で用いる重機を栽培に活用することで作業の効率化が期待できることから、平成29年4月から自然薯栽培を始めました。
近隣農家から休耕地を借り受け、現在では恵那市・中津川市の8カ所、約1haで栽培（令和元年18,000本の植え付け）を行っています。
また、自社グループの自動車整備技術を用いて冷蔵トラックのコンテナを改造し、室温を保管に適した2～3℃に保つことができる保管用冷蔵庫を開発、この冷蔵庫の活用により年間を通して自然薯の提供が可能になりました。

農薬の使用を最低限まで控え、近隣の自然薯農家から指導を受けながら土壌対策等試行錯誤を繰り返した結果、3年目の栽培時点では順調に生育しています。また、自然薯は大き過ぎると風味が薄くなり山芋に近づいてしまうため、品質と風味が失われることがない大きさとなる栽培方法を用いています。
不整形等により生食用としての販売が難しいものは加工品としての商品化を進めています。
平成30年9月に六次産業化・地産地消法に基づく総合化事業計画の認定を受け、地元飲食店や醸造会社とコラボレーションし、自然薯の味噌漬けやわらびとの酒粕漬けを開発し、販路の拡大に取り組んでいます。
自然薯の地域ブランド化を目指し「恵那市といえば中山道じねんじょ農園の自然薯」と言われることを目標とし、自然薯栽培による地域の休耕地の解消と販路の拡大に取り組んでまいります。